ご存知でしたか? 精油は「雑貨」です! ~連載:精油の危険性について 第1回~

みなさん、こんにちは。
今、わが国は超高齢化社会の到来により医療費削減のためにセルフメディケーションの重要性が叫ばれています。その一つとしてアロマセラピーがあり、近年、国内でも精油(アロマオイル、エッセンシャルオイル)の需要は増えています。事実、私が入会している「日本アロマセラピー学会」でも年々会員数は増えて2017年度は1400名ほどになりました。当然、精油の販売サイトも増加。インターネットはもちろん100円ショップでも手に入ります。でも、これってなにかおかしいと思いませんか?

みなさんが精油を生活の中にとりいれ香りを楽しむことは、とても素敵なことです。ヨーロッパでは、「アロマセラピー=芳香療法」として古くから用いられてきました。現在でも積極的に医療現場に取り入られ補完代替療法の一つに位置づけられています。

一方、日本では、厚生労働省が定める医薬品に関する品質規格書である日本薬局方収載の精油以外は雑貨です。(第17改正日本薬局方収載の精油は7種類)そのため、市中に出回っている精油の品質にはかなりの差があります。中には「偽和」という偽装操作が行われているものもあります。「偽和」とは少量の原材料に安価な精油や合成香料を添加して生産量を増やす操作です。

日本薬局方収載のハッカ油

日本薬局方収載のハッカ油

 

2015年になりますが、私たちの研究室ではインターネット上で販売されているスギ精油、ヒノキ精油、クロモジ精油など105種類(80社)の品質について調査しました。その結果、消費者にとって最も大事な成分表示がなされていない精油が73種類(69.5%)もありました。価格も1mLあたり平均でスギ精油:444円、ヒノキ精油:210円、クロモジ精油:1375円でしたが、価格差は8~20倍もありました。1)

保存については、全ての製品で「直射日光・高温多湿をさけ冷蔵庫や冷暗所に保存する」と表示され遮光ビンに入れられていましたが、開封後の使用期限、品質保持期限の記載があるのはわずか2社。無理もありませんね。精油は「雑貨」ですから、法的な決まりはありませんので、あなたも明日から生産し販売可能です。

精油の代表的な経路として鼻から脳へ、皮膚から全身へ、さらに呼吸器から全身へ巡り心身に作用します。だからこそ精油の品質は重要で、可能な限り情報量の多い精油製品を選択しましょう。また時によっては薬,サプリメントとの相互作用も考えられます。心配であれば、薬剤師に相談してみるのも良いでしょう。

参考文献
1) 瀧口晶子, 喜多江里香, 千葉良子, Aroma Res., 62(16/2), 128-133(2015)